
【新築の盲点】WICにカビが!?間取り計画で忘れがちな換気の落とし穴
注文住宅の間取りで
常に上位の人気を誇る
ウォークインクローゼット(WIC)。
「たくさんの衣類を1ヶ所に収納したい」
「お気に入りのバッグやコートを綺麗に並べたい」
等、マイホームづくりの憧れとして
取り入れる方が非常に多い設備です。
しかし、いざ念願のマイホームに入居し
最初の夏を越えたあたりで
「大切なスーツやブランドバッグに、
カビが生えてしまった……」
という悲劇に見舞われる
ケースが後を絶ちません。
この原因はクローゼットにこもる
「湿気」です。
カビは湿度が70%を超えると
爆発的に繁殖するのですが、
近年の高気密・高断熱の住宅は、
家が魔法瓶のように密閉されているため、
一度入り込んだ湿気が外へ逃げずに
こもりやすいという盲点があります。
だからこそ、間取りの段階でしっかり
「換気性」を計算しておかないと、
WICが真っ先にカビの温床になってしまうのです。
今回は新築のクローゼットに湿気が
大集合してしまう具体的な理由と、
設計段階でやっておきたい
絶対失敗しないカビ・湿気対策を
分かりやすく解説いたします。
■ 新築のウォークインクローゼットに
湿気が集まる3つの理由
こまめに掃除していれば
大丈夫と思われがちですが
高気密な新築のWICには構造や
生活習慣の上でどうしても湿気が
大集合してしまう明確な理由があります。
①家そのものが水分を大量に吐き出している

実は建てたばかりの新築住宅の木材や
コンクリート、壁紙の接着剤などは
完全に乾燥していません。
建築後およそ1〜2年にわたって、
家自体が内部の水分を室内に放出し続けます。
つまり新築初期というのは構造上で
「人生の中で最も家がジメジメしやすい時期」
なのです。
高気密住宅ゆえに、この水分が外に抜けず
空気の逃げ道がない空間にたまっていきます。
②寝室の奥という配置が最悪の水分を呼び込む

多くの間取りでは、
WICは主寝室の奥に配置されます。
これが換気性を下げる大きな原因です。
人間は寝ている間に、一晩でコップ1杯分(約200ml)
の汗をかくといわれています。
夜間に吐き出された大量の湿気は
まず寝室にこもり、その後さらにその奥にある
「行き止まりの小部屋(WIC)」へと
じわじわ流れ込んでいきます。
行き着く先で行き場を失った湿気が、
そのままクローゼット内に停滞して
湿度70%超えのエリアを作ってしまうのです。
③衣類自体が湿気を吸い取る
スポンジになっている

ウールや綿、カシミアなどの衣類は
非常に吸湿性が高い性質を持っています。
1日着た服には体からの汗や
外の湿気がたっぷり残っています。
それらの服を、大容量だからと
ギチギチに詰め込んで収納してしまうと
衣類同士の隙間の風通しがゼロになります。
結果として、クローゼット全体が
湿気を内部に閉じ込める
巨大なスポンジのようになってしまうのです。
■ 具体的な湿気対策
①WICのドアのデザインを工夫する

中の生活感を隠すためにクローゼットのドアは
絶対に閉めておきたいという場合は
ドアの形を工夫して空気の通り道を作りましょう。
おすすめなのがブラインドのように
羽が斜めに並んだルーバー扉です。
見た目は中をしっかり隠しつつ、
隙間から部屋全体の空気がそのまま通り抜けます。
もし、すっきりした普通のドアにしたい場合は
ドアの下の隙間を少し広め(2cmくらい)に
開けてもらうように設計士に頼んでみてください。
これだけでエアコンの風や空気が足元から
クローゼット内に入り込み、
閉め切っていても中の空気が
きれいに循環するようになります。
② 扉無しにする

カビのリスクを最小限に抑える最強の方法は
思い切って「ドアをつけない」という選択です。
最近のトレンドでもありますが
出入り口をあえてオープンにすることで
寝室との温度・湿度の差がなくなり
クローゼット内の空気が滞留するのを防げます。
中が丸見えになるのは抵抗があるという場合は、
出入り口をアーチ状にするのがおすすめです。
ドアがなくても寝室から
クローゼットの奥まで直視しづらくなり
海外風のおしゃれなアクセントにもなります。
どうしても隠したい時だけ使えるよう、
天井にロールスクリーン用の溝だけを
掘っておいてもらうのも賢い方法です。
③ 窓より小型換気扇

換気性を良くするためにWICに
窓をつけようと考える方が非常に多いですが、
実はこれは住宅のプロとしては
あまりおすすめしません。
クローゼットに窓をつけると
紫外線によって大切な衣類やバッグが
色褪せ、日焼けを起こします。
また夏場は窓際が強烈に
熱せられるため室温が上がり、
かえってカビが最も好む環境を
作り出してしまいます。
防犯や日焼けのリスクをゼロにしつつ
確実に換気する正解は
窓は作らず、トイレにあるような
小さな換気扇(パイプファン)を
WIC専用に1台設置することです。
これなら衣類を傷めることなく、
24時間強制的に湿気を外へ
吐き出し続けられます。
電気代も大体月数百円程度ですので
コストパフォーマンスも抜群です。
④吸放湿・透湿のクロスを貼る

壁面全体に調湿機能を
持たせるのも非常に有効です。
⇒吸放湿クロス(調湿壁紙)
こちらは壁紙そのものが
湿気を吸ったり吐いたりします。
今の壁紙をこれに貼り替えるだけで効果が出るため、
既存のWICを手軽に対策したい場合に向いています。
⇒透湿クロス
こちらは壁紙自体は湿気を通り抜けさせ、
奥にある下地(ボード)に吸わせる透湿クロスです。
こちらは新築や本格的なリフォーム向けになります。
ただし、どちらのクロスを貼る場合も
服をギチギチに詰め込みすぎては
効果が半減してしまいます。
前述のルーバー扉や小型換気扇と組み合わせて
壁面にきちんと風が当たる環境を
作ってあげるのがクロスを長持ちさせ、
効果を最大限に発揮させる秘訣です。
■ まとめ
⇒収納量だけでなく
「空気の逃げ道」も計算する
マイホームの打合せ中、多くの人は
「どれだけ大容量の収納が作れるか」
「棚やハンガーパイプをどう配置するか」
という点ばかりに気を取られてしまいがちです。
しかし、どんなにたくさん服が入る
素敵なクローゼットが完成しても
肝心の衣類にカビが生えてしまっては本末転倒です。
ウォークインクローゼットは、
家の中で最も湿気が溜まりやすく
空気が淀みやすい場所。
だからこそ、間取りを検討する際は
入った空気がどこから抜けるかという
風のルートをセットで考えることが大切です。
図面を見ながら、ぜひ一度担当の設計士に
このWICの換気性を高めるために、
ドアの仕様や換気扇の設置はどうなっていますか?
と確認してみてくださいね。

Q1. ウォークインクローゼットの
湿度は何%くらいに保つと良い?
A. 一般的には湿度60%以下を
目安に管理すると安心です。
湿度が高い状態が続くと、
カビやにおいが発生しやすくなります。
季節や天候によって湿度は変化するため、
クローゼット内に温湿度計を置いて
定期的に確認すると管理しやすくなります。
Q2. 除湿機はウォークイン
クローゼットの中で使っても大丈夫?
A. 使用できますが排水や発熱、
設置スペースには注意が必要です。
除湿機は運転中に熱を発するため、
狭い空間では室温が上がることがあります。
また、衣類や壁に近づけすぎず、
周囲に十分なスペースを確保することも大切です。
長時間使用する場合は、
製品の取扱説明書に記載された
設置条件を確認しましょう。
Q3. 衣類はどれくらい間隔を空けて収納すれば良い?
A. ハンガー同士が密着しない程度に、
少し余裕を持たせるのがおすすめです。
収納量いっぱいまで詰め込むと、
衣類の間に空気が通らなくなります。
収納スペースにはある程度の余裕を残し、
厚手のコートや衣類の間にも隙間を作ると
湿気がこもりにくくなります。
Q4. 一度着た服をすぐクローゼットに戻しても大丈夫?
A. すぐに収納せず、
しばらく風を通してから戻す方が安心です。
一度着用した衣類には
汗や体温による湿気が残っています。
そのまま収納するとクローゼット内の
湿度上昇やにおいの原因になります。
帰宅後はハンガーに掛けて乾燥させ、
湿気が抜けてから収納しましょう。
Q5. クローゼット内にカビを
見つけた場合はどうすれば良い?
A. まず衣類を取り出し、
原因となる湿気や結露の状態を確認しましょう。
表面の小さなカビであれば、
素材に対応した方法で清掃し十分に乾燥させます。
ただし、壁の内部まで広がっている場合や
繰り返しカビが発生する場合は、
結露・漏水・断熱不足などが原因の可能性もあります。
無理に自分で処理せず、施工会社や
専門業者へ相談することをおすすめします
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